モヒカンジェットにご対面

ヒコーキ版復刻デザイン

mohikan07.JPG
全日空  のロゴ、ダビンチヘリのマークも懐かしい

先日見事に空振りしてしまったANAのモヒカンジェットにやっと会えました。

モヒカンジェットとは言うまでもなくANAの先代機体デザインのニックネーム。1969年から20年間にわたって親しまれたデザインです。登場から40年を経た昨年12月、B767の1機がこのデザインをまとって登場し話題を呼んでいます。

mohikan01.JPG
▲DHC8に迎えられて伊丹に到着

日々のモヒカンジェットの運用は前日22:30頃にANAのサイトにアップされています。この日(2/27)は高知を7:10に出発し、羽田ー宮崎ー羽田ー伊丹ー鹿児島ー伊丹と飛ぶスケジュール。毎日このサイトをチェックしていると1機のヒコーキが毎日どんな飛び方をしているか知ることができ興味深いです。想像以上に過酷なスケジュールです。
モヒカンのスケジュールはこちら https://tabidachi.ana.co.jp/card/1185962

mohikan02.JPG
▲スポット目指してタキシング

16:05、羽田から伊丹に到着したところをつかまえました。幸いにして天気は曇天。快晴だと伊丹ではこの時間強烈な逆光を浴びることになります。

mohilan09.JPG
▲スポットに入りました

なんとも懐かしいデザインです。実際にはB767は登場当初から現在のトリトンブルーなので厳密には復刻というには無理がありますが、癖のない機体なので違和感はありません。

MA340196.jpg
▲もうワンカット

同じようなカットですが、こちらは携帯カメラ。
どうですか? コンデジよりも鮮明だと思いませんか(笑)。

mohikan04.JPG
▲モヒカン頭

これがモヒカンと呼ばれる所以。テッペンのブルーの塗り分けは確かにモヒカンヘアーを連想させます。前から見るとどことなくネズミを思わせます。

mohikan05.JPG
▲プッシュバックで出発

到着から1時間も経たず16:55、鹿児島に向けて出発します。この後鹿児島まで往復して今日のスケジュールを完了、今夜は伊丹でステイです。いやはやご苦労様です。

mohikan06.JPG
▲四面楚歌

赤組のヒコーキたちに囲まれて誘導路へと進みます。
赤組さんも鶴丸印を復刻してはいかがでしょう。かつての栄光を取り戻すために。

mohikan08.JPG
▲いってらっしゃい!

相変わらずトラブル多発のDHC8に見送られてB滑走路へと向かうモヒカンジェット。伊丹に戻って来るのは19:55の予定です。
このモヒカンジェットの塗装工事は伊丹空港内の全日空整備で施工されました。そういう意味では第二の故郷に帰って来た束の間の一時ってわけですね。


おしらせ

 先日もお伝えしましたとおり自宅PCが壊れてしまいました。したがって記事投稿は実家のPCを使用するという臨時発行態勢をとっております。まとめ書きして予約投稿しております。このため、いただいたコメントに返事もせずに記事だけ更新していくという不本意な状態がしばらく続きそうですが、ご容赦いただければ幸いです。みなさんのブログへは細々と携帯からお邪魔しております。

特派員報告 エールフランスのA380

[パリ発特派員電]

うちの特派員が一仕事やってくれました。小紙としては初めての海外ネタをお届けすることができるのは無上の喜びであります。
取材現場はパリ、シャルル・ド・ゴール空港。取材してくれたのはさいたま特派員です。そう、なぜかさいたまです。 「山手のチョコ電」に次ぐ勲功であります。

どうです! 世界最大の旅客機エアバスA380ですよ。それもエールフランス! 今のところ日本では見ることはできません。

091130_2015~01.JPG

エールフランスは欧米系では初めてA380を投入したエアラインです。さすがにエアバス社の中核を担うフランスのフラッグキャリアですね。
2層構造のキャビンは538人の乗客を呑み込み現在はパリーニューヨーク線に就航しているだけです。
なんだか魚を思わせるフォルムも気になりますが、従来とは少し印象の異なるロゴも気になります。ずいぶん角ばった字体に変わったようです。AIR FRANCE も AIRFRANCEに。真っ白な機体にロゴだけというデザインが印象的です。
機材のダウンサイジングがトレンドになっている航空業界にあってA380の今後が気になります。

さてさて、日本のフラッグキャリアは機首を立て直すことができるのでしょうか。

 

「沈まぬ太陽」を観ました

 JALにとっては泣きっ面に蜂?

話題の映画「沈まぬ太陽」を観て来ました。日頃、映画というメディアとはほとんど付き合いのない私ですが、この作品は是非観たかった。
山崎豊子著の原作を読んだのはちょうど1年前。暇つぶしになんとなく手に取った文庫本がこの作品でした。5分冊になっているとも知らずに。読みだすと止まりませんでした。

沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)


この作品の舞台になっているのは日本のナショナルフラッグキャリアである国民航空=NALですが、もちろんモチーフは日本航空=JALです。御巣鷹山事故などという実話が織り込まれているので疑いの余地はありません。

既にマスコミが報じているとおりこの作品の映画化にあたっては数々のハードルがありました。もちろんJALからの強力な圧力です。各メディアに大量の広告を出稿しているJALだけにご機嫌を損ねると営業上少なからぬ打撃を受けることは間違いありません。この作品を連載していた週刊新潮は一時JALの機内誌から姿を消したといいます。

◆JAL批判の映画ではない
今回の映画化にあたってもJALは法的措置をもちらつかせたと言われています。不幸にしてJALの経営危機が連日マスコミを賑わせている時期だけにJALも必死なのでしょう。まさに泣きっ面に蜂だなと私も思っておりましたが。
ところが実際に観て感じたのは決してJALバッシングの映画ではないということ。もちろん大筋ではJALの特殊な成り立ち故に安全性をないがしろにし、ついには御巣鷹山事故で520名の人命を失うという単独航空事故としては史上最悪の結果を招来してしまう流れはきちんと描かれています。ただ、強く打ち出されているのは恩地元、行天四郎という対極的な組織人の対比であり、二人を取り巻く人たちとの人間模様です。断じてヒステリックにJAL批判を繰り広げているわけではありません。むしろ「組織を守る」という美名のもと数々の非道な行いに手を染めていく組織人の愚かさを浮き彫りにしていると思えてなりません。

◆公開のタイミング
このような内容であればJALとしてもそこまで目くじらを立てて反発することもなかったのではないかと思います。映画化の話が持ち上がった時点ですんなり実現していたらこんなに最悪のタイミングで公開とはならなかったでしょう。逆に考えると経営危機に瀕し、広告主としての威光が低下した今だからこそ制作が可能だったのかも知れませんが。

◆本当に訴えたかったこと
ただ、私の思考力がお粗末なのか、単にある組織を批判するとか、特定の人物の生きざまにスポットを当てるというだけの映画ではないようです。なにか深く、重いものがある。人命尊重とか安全第一とか一言では表せない何かが。それが何なのか今の私にはわかりません。なにかベールに包まれているようでその正体が見えません。ある日突然答が浮かび上がってくるのかもわかりません。したがって、「感動した!」などと率直に言えないのが正直な感想です。
ぜひ、みなさんもご覧いただきこの映画が本当に訴えたかったものはなにか考えていただければと思います。

◆雑感
数年に一度しか映画を見ない私が評論家ぶっても仕方がありません。ここからはちょっとマニアックな視点で見た感想をお聞きいただきましょう。

キャスト
原作にどっぷり浸った者としては自分の中で思い描いた登場人物のイメージが映画化にあたってそのとおりにキャスティングされているかどうかが気になるところであります。
今回は全体的に山崎豊子作品の常連さんが多く起用されているのかな。特に唐沢版ドラマ「白い巨塔」のキャストとだぶる部分が多かったように思います。

恩地元=渡辺謙 違和感ありません。私が、この人物について明確な実像を確立し切れていないのかも・・・・。

行天四郎=三浦友和 意外。もっとクールで細身の人物を想像していました。でも、観ているうちに抵抗はなくなりました。

恩地りつ子=鈴木京香 もっと地味で耐える女性をイメージ。鈴木では華やか過ぎる。華麗なる一族では万俵大介の愛人高須相子役で登場。

国見会長=石坂浩二 たいへん意外。モデルは鐘紡会長だった伊藤淳二氏。石坂浩二ではスマート過ぎ。はじめは主人公を疎んじる旧経営陣の一人かと。実際の伊藤氏の姿を知っているのが影響しているかも。白い巨塔では第一内科東教授。

堂本社長=柴俊夫 イメージが違う。原作では何度も爬虫類のように無表情と表現されている。柴俊夫では爬虫類どころか少々脂っこいのではないか。

龍崎一清=品川徹 伊藤忠相談役などを歴任した瀬島龍三氏がモデル。品川は少々クセが強過ぎる。白い巨塔では病理の大河内教授役。

八馬忠次=西村雅彦 イメージが違う。恩地をハメた張本人ともいうべき人物。もっとメタボな油ギッシュな人物を想像していたが。

鈴木夏子=木村多江 御巣鷹山で夫を失う。大阪弁も無難にこなし適役か。白い巨塔では製薬会社MR林田加奈子役を好演。

恩地純子義父=桂南光 意外な大抜擢。登場するのは3分程度だが一目見て大阪を直感させる人物ということで白羽の矢が立ったとか。大阪での試写会では笑いが起こったらしい。もちろん劇場ではそんなことはなかった。

他にもいろいろとありますが、このへんで。

なお、登場人物については「沈まぬ太陽」公式HPをご覧下さい。
http://shizumanu-taiyo.jp/


ロケ

ホテル=リーガロイヤルホテル東京。NAL創立30周年記念パーティーの会場や行天と三井美樹との密会の場所として登場。白い巨塔他ドラマでも度々登場している。

空港=やはり日本の空港では撮影できなかったのかエンドロールではバンコク・ドンムアン空港などの名が出ている。

国民航空本社=JALの旧本社である鉄鋼ビルをイメージさせるクラシックなビルが使われているが、ビル名不明。

航空機=B747、DC8などが登場するがいずれもCGらしい。なかには曲芸まがいの飛び方も見られる。なぜかJALには採用されなかったトライスターの実機らしき姿も。


休憩時間10分をはさみ4時間近い長丁場。渡辺謙をして舞台あいさつで男泣きさせたほど数々の障壁を乗り越えての公開。それだけに気合いを感じる作品で腰の痛みも気にせず時間を忘れて観ることができました。
作品中にも描かれている国民航空による無軌道なホテル展開。折しもJAL再建案の中でもホテル部門の売却が取り沙汰されています。ホテル屋としては少なからず複雑な気持ちも抱きつつ観賞したのでありました。
そうそう、最近福知山線脱線事故に絡んでいろいろとボロが出ているJR西日本の経営陣の皆さんにも是非観ていただきたい作品です。


GetAttachment.jpg
▲ワーナーマイカルシネマズ茨木

今回久し振りに足を運んだ映画館は大阪モノレール宇野辺駅から歩いて10分少々のワーナーマイカルシネマズ茨木。うちからだと同じモノレール大日駅前のワーナーマイカルシネマズ大日の方が断然便利なんですが、時間が合わずに茨木へ。おかげで今まで素通りしていた宇野辺駅に初めて降りることができましたとさ。