快晴の服部天神へ
犬の写真でごまかすのは元日だけにして、2015年の当ブログ本格始動であります!
▲快晴の下服部の天神さんへ
▲なんだか安っぽい今年のジャンボ絵馬 折り目入ってるし・・・
まずは吉例に従いまして初詣の話。今年は亜熱帯大阪にしては珍しく元日、2日は雪が降る寒~い天候に。3日は一転澄み渡る青空となり、風もなく絶好の初詣日和となったのであります。この機を逃してなるものかと出掛けたのは、これも毎年吉例の豊中市の服部天神であります。
▲行列することなく参拝完了
境内は流石に元日ほどの混雑はなく程よい賑わいで気持ち良く参拝できました。
▲クマモンではありません
今年のお伴犬はチワワ(血統書付!)のチマキ嬢です。昨年2月に当家にやって来たばかり。生まれて初めての初詣とあって人混みにビビッてなかなか歩きません。抱っこしてやっても眼を見開いて固まっておりました。ただでさえ大きな眼が飛び出しそう。
▲2015年の乗り初めは阪急6113F
ということで天神さんを早々に辞し、体調は大丈夫かと心配する家族を振り解き阪急服部天神駅から電車に乗り込んだのであります。日中の普通宝塚行きはお正月ならではであります。
さてさて、向かった先は・・・・。次々号でご報告いたします。
◆今年のお節は札幌グランドホテルより
毎年お節料理は通販で取り寄せておりますが、今年のはワタシ的には期待どおりだったのでご紹介しておこうと思います。以前から気になっていた札幌グランドホテルの謹製であります。ホテルらしく3段重が各々和・洋・中に分かれているのが選択のポイント。和風オンリーでは売れ残りが多発してしまいますので。その点、バラエティに富んだ今回のメニューはお酒との相性も良く絶好のオードブル感覚で箸も進みます。味も無難に仕上がっており三が日でほぼ食べ終えました。
▲北の迎賓館札幌グランドホテル謹製
札幌グランドが気になっていたのは理由が2つ。一つは同ホテルは早くから自社ブランドの外販に熱心であり、その点ではホテル業界のパイオニア的存在であること。(←元ホテル屋!)
いま一つは私にとって北の都札幌のホテルというと即ち札幌グランドであるからです。学生時代から何度となく訪れている札幌のホテルには格安から上級まで何軒となく宿泊してきましたが、最も札幌を感じさせてくれるのはやはり札幌グランドでしょう! その札幌にも長らくご無沙汰、せめてお節で北の都の匂いを感じることができればという思いもありました。
▲和・洋・中の3段重
まずは満足です。やっぱりもう一度だけ札幌を訪れたいという気持ちに火が着いたのはかえって逆効果だったかも知れません。
ともあれ、ごちそうさんでした!
沼津駅前のトレインビューホテル
その名もココチホテル沼津
今回は、沼津駅前にあるちょっと気になるホテルをご紹介します。
というわけで久々のホテルネタであります。しかも、その場所が沼津ときました。創刊657号を数える当ブログですが、おそらく今までに「沼津」という地名すら登場したことはないはずです。そんな当ブログで唐突に沼津のホテルを取り上げることになったのには、ある種の偶然が介在します。それは・・・・・
▲沼津駅北口から徒歩1分
いつものようにネット上で空想旅行に耽っていた私は何かの拍子に沼津のホテルを検索していて、このホテルに目が留まりました。絢爛豪華というわけでもなく、どちらかというとこじんまりした規模。主なターゲットはビジネス客だと思われる割には個性的な客室。HPから伝わって来るオーナーのホテルと沼津という町への愛着。このホテルに泊りたい!という強い誘惑にかられました。しかし、大阪在住の私が沼津のホテルを利用するという機会は簡単には巡って来そうにありません。
そんな時、本誌遊軍記者から「良いホテルに泊った」とレポートが飛び込んで来たのです。その「良いホテル」こそ私が注目していたホテル、その名も「ココチホテル沼津」だったのです。何たる偶然でしょう!
ちなみに記者は、元々私と同じホテル屋で、今は全くの異業種に転じ、1年の大半を出張先のホテルで過ごしております。つまり、ホテルの裏側を熟知したヘビーユーザーというホテルにとっては侮れない存在なのであります。
▲隠れ家的なエントランスへのアプローチ
このホテルでまず興味を惹くのは、その名称でしょう。ココチホテルという名前からは、心地という単語を連想します。実際ホテルのキャッチフレーズも「シンプルモダンでココチ良いホテル」と謳っています。しかし、その名の由来は、それにとどまらず、COZY=心地良い空間、CORDIAL=誠実な対応、CHEERFUL=元気になれる食事と睡眠、の頭文字を並べたもので(COCOCHEE HOTEL)、同時にホテルのコンセプトを表現したものとなっています。なかなか良くできています。ホテル名改称で見事にこけてしまった我が古巣のホテルとはえらい違いです。
▲ロビー横のラウンジ
前置きが長くなってしまいました。この辺で館内にご案内いたしましょう。
まず、ゲストを迎えてくれるロビーです。フランス有数の家具ブランド「リーンロゼ」のソファが鮮やかなコントラストを見せ、快適なステイを予感させます。
▲リラックスダブル
このホテルの客室は、大きく分けてリラックスタイプとビジネスタイプで構成されます。そのうち、このホテルらしいのはリラックスタイプ。その名のとおり、床は畳敷き、浴室は洗い場付きとゲストをリラックスさせることに徹底的に拘っています。ただし、室内でのデスクワークを希望する場合は広いワーキングデスクを備えたビジネスタイプをご利用下さいとのこと。
▲ナイトテーブルも格好いい
今回、記者が利用したのもリラックスダブル。面積18平米、ベッドサイズ1400mmというシングルユースなら十分なスペック。全客室140室のうち40室を占める、このホテルの主力商品であります。
基本室料は、1名利用で10000円(税・サ込み)ですが、記者は朝食付き7800円で予約できたとのこと。全国ネットの大手ビジネスホテルチェーンと較べると高くはなりますが、一般的な出張旅費の範囲内には収まる金額ではないでしょうか。
なお、リッチモンドホテルチェーンの提携ホテルになっています。
▲バスルームは洗い場付き
こちらがリラックスタイプ自慢の浴室。洗い場付きでマッサージシャワーを装備。下手なシティホテル顔負けの内容です。ただし、ビジネスタイプの客室はユニットバスになるそうなのでお間違いなく。
▲洗面・トイレとバスアメニティ
今回宿泊した記者の感想は以下のとおりです。
「以前、沼津で宿泊したホテルは最悪やったんでどっかないかと徘徊してたら発見した次第で試してみたら大満足で即メンバー登録。
朝食もすごく良い。アジの干物も焼きたてで丁寧に朝食用意してくれてるなと。
元ホテル屋の目から多少コメント有るけど、値段と品質を考えると絶賛のレベルや。
また、泊まりたい数少ないホテルの一つにノミネート」。
ということで、ホテルと食事には極めてうるさい遊軍記者を唸らせたココチホテル沼津のご紹介でした。
ホテルHP http://www.cocochee.jp/index.php
▲窓からは沼津駅ホームと桃太郎が
最後になりましたが、タイトルに謳ったトレインビューについて。
記者が宿泊した客室からは、ご覧のように沼津駅のホームが見て取れます。手前にはJR貨物の桃太郎ことEF210が停車中ですが、見えるでしょうか? この沼津駅、汽車の駅の面影を色濃く残す貴重な駅ですが、現在高架化が進行中とのこと。完成すれば、この眺めも一変することでしょう。ただし、完成予定は平成34年度とのことですが。
※眺望は部屋によって異なりますので予約時にホテルとご相談下さい。
八重洲富士屋ホテル間もなく閉館
30年目のさようなら
とある訳あって久し振りに八重洲富士屋ホテルのHPを開いてみました。冒頭には「30年の感謝をこめて」の文字。(開業は1983年) 「ほー、もう30年か・・・・」と思いながら読み進んで行くと、「八重洲富士屋ホテルは2014年3月31日をもちまして営業を終了いたします。・・・・」。えっ、閉館! どうして!?
八重洲富士屋ホテルは、その名のとおり東京駅八重洲南口の目と鼻の先に建つ客室数377の中堅ホテルです。あまり華やかなイメージはありませんが、東京駅至近ということで東京駅を利用する機会の多い方にはお馴染みのホテルかと思います。言うまでもなく、箱根・宮ノ下の富士屋ホテルと同じ富士屋ホテルチェーンのホテルです。
これだけ立地条件に恵まれたホテルがなぜ閉館? こんな疑問を抱くのは元ホテル屋の私だけではないでしょう。少なくとも宿泊に関してはアクビをしていても集客できそうに見えるんですが。
▲エントランスには "With All Our Thanks 30years" の文字
◆閉館の理由とは
ということで、何時ものようにネット上を検索すると、昨年10月8日付の日本経済新聞が、この件を報じております。要約すると・・・・
「同ホテルは客室稼働率も90%を超えるなど収益を上げているものの親会社である国際興業の経営再建のため売却し、同社の財務体質改善を図る。なお、敷地については既に住友不動産に売却済みである。」(>>>こちら)
親会社の都合でホテルが売り飛ばされるというのは珍しい話ではありませんが、これほど業績好調(に見える)なホテルが売りに出されるというのは稀な例だと思います。しかも、敷地の売却で得られる収益が目当てでホテルとしての価値は顧みられない、というのは何とも悔しい限りです。約200人の従業員は同ホテルチェーンの他施設に転籍とありますが、近くて箱根、大部分は山梨県下ですから事実上の退職勧奨ということになるのではないでしょうか。ちなみに現在、国際興業を牛耳っているのは先般西武鉄道と一戦交えた投資ファンドであるサーベラスだそうです。資産の売り食いで目先の利益を上げる・・・・さすがはハゲタカといわれるだけのことはありますな。
これも突き詰めるとホテル業の地位の低さを象徴する一例なんですが・・・・。
◆父娘でお世話になりました
今回、このホテルのHPを開いたのは娘が東京に遊びに行くに際して旅行代理店に薦められたのがきっかけです。大阪からの往復の新幹線とホテル1泊がセットになって3万円弱。それで立地の良いこのホテルだったら言うことはありません。だいいち私に似て方向音痴な娘でも道に迷う心配もありませんから。(・・・・実際はちょっと迷ったらしい。嗚呼!)。
実はこのホテル、私にとっても思い出深いホテルなんです。1992年、初めて洋行する際、成田発の前泊としてお世話になったのがこのホテルです。当時の私は埼玉県民だったんですが、当日のっぴきならない用事が大阪であり、前日にデビューを飾ったばかりの「のぞみ」で深夜に東京に戻り、翌早朝の成田エクスプレスで成田空港に向かうというスケジュールでした。当時、東京駅周辺にホテルは少なく、東京ステーションホテルなど電話で「宿泊の・・・・」と言うか言わないかのうちに「あいにく満室でございます!」と言われる有様でしたから、このホテルで予約が取れたときは安堵したものでした。
宿泊以外にも食事や会議でもお世話になりましたが、富士屋ホテルという老舗の持つ重い雰囲気とは違ったフレンドリーなムードが好ましかったように記憶しています。
東京駅至近では現在何軒ものホテルの新築工事が行なわれているようです。八重洲富士屋ホテルの閉館と入れ違うように八重洲口には「コートヤードバイマリオット東京ステーション」(・・・長い名前やな!)が4月にオープンするんだとか。でも、宿泊料金は軒並みかなり高めの設定になっており、富士屋のように手軽に泊れるホテルが消えるのは、当時の私のような「寝るだけの利用者」にとっては痛手でしょうね。
繰り返しになりますが、まだまだ血の通っているホテルをまるで株を売却するかの如く右から左へ売り飛ばす経営者の姿勢には疑問を感じます。
こうして開業以来30年、八重洲口に明かりを灯し続けた八重洲富士屋ホテルは間もなく姿を消すことになります。不条理ともいえる都合での閉館は残念ではありますが、思い出を振り返りつつ最期のときを見守りたいと思います。
追 記
本誌遊軍記者から閉館後の八重洲富士屋ホテルの画像が届きましたので掲載しておきます。
▲閉館後の八重洲富士屋ホテル(2014年5月頃)
玄関周りはフェンスで閉ざされています。灯りの消えたホテルの姿というのはなんとも寂しいものです。魂の抜けた抜け殻ですね。(2014.9.12)