秋の丹波路を訪ねて
良くも悪くも今話題の「GoTo トラベル」キャンペーン。新型コロナ禍で瀕死の状態にある観光産業に緊急輸血を行うべく国交省主導で始められた施策です。かつて観光業に身を置いていた私としても、その実態は如何なるものか気になっていたところ。そこに珍しく娘から「GoTo使って1泊旅行をしよう」と提案があり、二つ返事でOKしたのであります。アシは娘の運転するクルマを使いましたのでタイトルにあるとおり今回は鉄分ゼロとなっております。
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▲紅葉も色付き始めた篠山城跡
行き先は当初、クルマで30~40分の距離にある湯の花温泉(京都・亀岡)を想定していましたが、ここの温泉街は旅館以外に見るべきところがないので白紙に戻し、再検討した結果長距離運転の経験のない娘の経験値も考慮し、さらに観光要素を加味し、兵庫県は丹波の城下町篠山に決定したのでありました。
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▲篠山城跡大書院
R173を北上、大阪府の北の果てから兵庫県に入り、約1時間ほどで丹波篠山の市街地に到着です。途中渋滞もなく予想よりも早く昼前に着くことができました。着いてみるとたいへんな賑わいぶり。クルマを空きのあった城跡北側の市営駐車場(1日200円)に停めますが、多くの自家用車の他、大型貸切バスも並んでおり、早速「GoTo」の威力を実感します。このバスたちは、長い間車庫で眠っていたはずですから。
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▲天守台からみた市街地
昼食は時間差で摂ることにして街歩きを開始。まずは丹波篠山観光のメインである篠山城跡に。天守も櫓もなく、石垣と平成になってから再建された大書院があるだけですが、天守台から眺める城下町の街並は、それなりに見応えがあります。城郭風にデザインされた市役所や篠山観光ホテルが良い脇役を演じています。東側に隣接する篠山小学校の古めかしい校舎も目を惹きました。
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▲丹波篠山観光の拠点大正ロマン館
続いて城跡北側すぐの「大正ロマン館」を訪れます。その名のとおり大正12年に建てられた旧篠山町役場を改修したもので館内は土産物店とレストランになっています。ここで昼食とします。日頃の行いが良いのか数分待ちで席に案内されました。
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▲やっぱりカレーで
「ろまんてい」を名のるこの店、メニューは丹波とあって黒豆推しの内容ですが、カレー狂の私は今日もブレずにビーフカレーを。軟らかく煮込んだ牛肉がゴロゴロ入って美味しかったです。1050円也。
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▲篠山歴史美術館は元裁判所
お腹も満たされたところで二階町の商店街を買い物を楽しみながらぶらぶら歩きます。というと長閑な感じですが、実際はたいへんな混雑。路線バスも通る道沿いは人で溢れ警備員が声をからして交通整理に当たっています。あちこちに密が発生していますが、見事に皆マスクを着用しております。
たどり着いた先は「篠山歴史美術館」。明治24年の建築で昭和56年まで神戸地裁篠山支部として使われていた建物です。館内には法廷も残されており、それが見たくて訪れた次第です。入館料500円(特別展開催中)。
◆ユニトピアささやまに宿泊
さて私の体力も限界、そろそろ今夜の宿に向かうことにします。宿泊するのは市街地からは離れた「ユニトピアささやま」なる宿。ユニトピアはパナソニックの労組が運営する福利・研修施設で甲子園球場の7倍の敷地に研修施設、グラウンド、テニスコートやキャンプ場などが配置されており、その中のホテル棟であるレイクプラザに宿泊します。
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▲ロビーラウンジ
研修施設と聞いてハード、ソフトともに大きな期待はしていませんでしたが、ハードは客室、パブリックともにピカピカ、ソフトも出会ったスタッフの方いずれも親切で、良い意味で予想を裏切ってくれました。
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▲客室は全て和室
今回の客室は6階建ての5階。10畳の間に広縁、前室、トイレが付きます。3人での宿泊には十分です。ちなみに客室は全て矢代湖(人造湖?)に面したレイクビュー。間取りは基本的に同一のようです。夕暮れ時の湖と山々の稜線の景色が印象的でした。
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▲夕食はすき焼き
さて、お楽しみの夕食です。今回はすき焼きプランで予約しました。丹波地方で秋の味覚というとボタン鍋(猪鍋)と相場が決まっていますが、娘はジビエが苦手のようなので当たり障りのないすき焼きを選びました。美味しくいただき満腹、満腹。
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▲朝食はコロナ対策で和食セット
翌日は予報どおり雨。それを見越して観光は前日に済ませており今日は帰宅するのみ。家に残したワン公、ネコたちのことも気になるし・・・・。
朝食を摂りに昨夜と同じレストランへ。通常はバイキングなんですが、コロナ対策で和食セットで提供中とのこと。
部屋に戻り荷物をまとめて9:30頃チェックアウトを済ませます。快適な宿泊でした。
最後にこの宿の大きな特徴として敷地内への自家用車進入禁止を挙げておきます。クルマで来た人はウエルカムゲートと呼ばれる敷地入口にある駐車場にクルマを残し、30分ごとに循環するシャトルバスに乗りホテル棟との間(所要約10分)を送迎してもらうという段取りになっています。面倒だなと思いましたが、施設内の自然保護のためだとか。
[宿泊データ]11月1日(日)から1泊 予約経路:じゃらんnet 利用プラン:ユニトピア牛すきプラン 一人当たり料金:14300円(税込み) GoTo適用後:9295円(税込み)
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▲名物黒豆ソフト
帰宅する前にお土産の調達を。昨日チェックイン時に受け取ったGoToの地域共通クーポン(1人2000円分)が活躍するときが来たのです。雨降りとあって駐車場が隣接する「大正ロマン館」を昨日に続いて訪れます。地ビール、地サイダーなどを買い込み、昨日から気になっていた黒豆ソフトを食べて任務完了、後は大阪に帰るのみ。来た道を折り返したわけですが、兵庫・大阪府県境の峠付近が霧で真っ白になっていて驚きました。往路と同じく約1時間のドライブで無事帰宅しました。
◆GoToの功罪
率直に言ってGoToの威力を見せつけられた思いです。決して観光地としてメジャーとはいえない丹波篠山にこれだけの観光客を動員するんですから。確かに旅行代金、宿泊代金が実質半額程度まで圧縮されるという大盤振舞いですからこの程度の効果は当然なのかも知れませんが、今回目にした大勢の人、観光バスの列は想定を遥かに超えるものでした。
しかし、実施のタイミングが早過ぎたのではないか。準備もできていない状況で見切り発車し混乱をまねいた。結果としてJ社他大手旅行代理店だけが潤ったのではないか。本来救済されるべき小規模事業者は潤うどころか割引分の差額立替に汲々としている等々問題点も多々指摘されています。
良くも悪くも今話題の「GoTo トラベル」キャンペーン。新型コロナ禍で瀕死の状態にある観光産業に緊急輸血を行うべく国交省主導で始められた施策です。かつて観光業に身を置いていた私としても、その実態は如何なるものか気になっていたところ。そこに珍しく娘から「GoTo使って1泊旅行をしよう」と提案があり、二つ返事でOKしたのであります。アシは娘の運転するクルマを使いましたのでタイトルにあるとおり今回は鉄分ゼロとなっております。
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▲紅葉も色付き始めた篠山城跡
行き先は当初、クルマで30~40分の距離にある湯の花温泉(京都・亀岡)を想定していましたが、ここの温泉街は旅館以外に見るべきところがないので白紙に戻し、再検討した結果長距離運転の経験のない娘の経験値も考慮し、さらに観光要素を加味し、兵庫県は丹波の城下町篠山に決定したのでありました。
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▲篠山城跡大書院
R173を北上、大阪府の北の果てから兵庫県に入り、約1時間ほどで丹波篠山の市街地に到着です。途中渋滞もなく予想よりも早く昼前に着くことができました。着いてみるとたいへんな賑わいぶり。クルマを空きのあった城跡北側の市営駐車場(1日200円)に停めますが、多くの自家用車の他、大型貸切バスも並んでおり、早速「GoTo」の威力を実感します。このバスたちは、長い間車庫で眠っていたはずですから。
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▲天守台からみた市街地
昼食は時間差で摂ることにして街歩きを開始。まずは丹波篠山観光のメインである篠山城跡に。天守も櫓もなく、石垣と平成になってから再建された大書院があるだけですが、天守台から眺める城下町の街並は、それなりに見応えがあります。城郭風にデザインされた市役所や篠山観光ホテルが良い脇役を演じています。東側に隣接する篠山小学校の古めかしい校舎も目を惹きました。
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▲丹波篠山観光の拠点大正ロマン館
続いて城跡北側すぐの「大正ロマン館」を訪れます。その名のとおり大正12年に建てられた旧篠山町役場を改修したもので館内は土産物店とレストランになっています。ここで昼食とします。日頃の行いが良いのか数分待ちで席に案内されました。
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▲やっぱりカレーで
「ろまんてい」を名のるこの店、メニューは丹波とあって黒豆推しの内容ですが、カレー狂の私は今日もブレずにビーフカレーを。軟らかく煮込んだ牛肉がゴロゴロ入って美味しかったです。1050円也。
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▲篠山歴史美術館は元裁判所
お腹も満たされたところで二階町の商店街を買い物を楽しみながらぶらぶら歩きます。というと長閑な感じですが、実際はたいへんな混雑。路線バスも通る道沿いは人で溢れ警備員が声をからして交通整理に当たっています。あちこちに密が発生していますが、見事に皆マスクを着用しております。
たどり着いた先は「篠山歴史美術館」。明治24年の建築で昭和56年まで神戸地裁篠山支部として使われていた建物です。館内には法廷も残されており、それが見たくて訪れた次第です。入館料500円(特別展開催中)。
◆ユニトピアささやまに宿泊
さて私の体力も限界、そろそろ今夜の宿に向かうことにします。宿泊するのは市街地からは離れた「ユニトピアささやま」なる宿。ユニトピアはパナソニックの労組が運営する福利・研修施設で甲子園球場の7倍の敷地に研修施設、グラウンド、テニスコートやキャンプ場などが配置されており、その中のホテル棟であるレイクプラザに宿泊します。
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▲ロビーラウンジ
研修施設と聞いてハード、ソフトともに大きな期待はしていませんでしたが、ハードは客室、パブリックともにピカピカ、ソフトも出会ったスタッフの方いずれも親切で、良い意味で予想を裏切ってくれました。
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▲客室は全て和室
今回の客室は6階建ての5階。10畳の間に広縁、前室、トイレが付きます。3人での宿泊には十分です。ちなみに客室は全て矢代湖(人造湖?)に面したレイクビュー。間取りは基本的に同一のようです。夕暮れ時の湖と山々の稜線の景色が印象的でした。
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▲夕食はすき焼き
さて、お楽しみの夕食です。今回はすき焼きプランで予約しました。丹波地方で秋の味覚というとボタン鍋(猪鍋)と相場が決まっていますが、娘はジビエが苦手のようなので当たり障りのないすき焼きを選びました。美味しくいただき満腹、満腹。
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▲朝食はコロナ対策で和食セット
翌日は予報どおり雨。それを見越して観光は前日に済ませており今日は帰宅するのみ。家に残したワン公、ネコたちのことも気になるし・・・・。
朝食を摂りに昨夜と同じレストランへ。通常はバイキングなんですが、コロナ対策で和食セットで提供中とのこと。
部屋に戻り荷物をまとめて9:30頃チェックアウトを済ませます。快適な宿泊でした。
最後にこの宿の大きな特徴として敷地内への自家用車進入禁止を挙げておきます。クルマで来た人はウエルカムゲートと呼ばれる敷地入口にある駐車場にクルマを残し、30分ごとに循環するシャトルバスに乗りホテル棟との間(所要約10分)を送迎してもらうという段取りになっています。面倒だなと思いましたが、施設内の自然保護のためだとか。
[宿泊データ]11月1日(日)から1泊 予約経路:じゃらんnet 利用プラン:ユニトピア牛すきプラン 一人当たり料金:14300円(税込み) GoTo適用後:9295円(税込み)
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▲名物黒豆ソフト
帰宅する前にお土産の調達を。昨日チェックイン時に受け取ったGoToの地域共通クーポン(1人2000円分)が活躍するときが来たのです。雨降りとあって駐車場が隣接する「大正ロマン館」を昨日に続いて訪れます。地ビール、地サイダーなどを買い込み、昨日から気になっていた黒豆ソフトを食べて任務完了、後は大阪に帰るのみ。来た道を折り返したわけですが、兵庫・大阪府県境の峠付近が霧で真っ白になっていて驚きました。往路と同じく約1時間のドライブで無事帰宅しました。
◆GoToの功罪
率直に言ってGoToの威力を見せつけられた思いです。決して観光地としてメジャーとはいえない丹波篠山にこれだけの観光客を動員するんですから。確かに旅行代金、宿泊代金が実質半額程度まで圧縮されるという大盤振舞いですからこの程度の効果は当然なのかも知れませんが、今回目にした大勢の人、観光バスの列は想定を遥かに超えるものでした。
しかし、実施のタイミングが早過ぎたのではないか。準備もできていない状況で見切り発車し混乱をまねいた。結果としてJ社他大手旅行代理店だけが潤ったのではないか。本来救済されるべき小規模事業者は潤うどころか割引分の差額立替に汲々としている等々問題点も多々指摘されています。
このキャンペーンが税金を原資としている以上、その功罪はきちんと検証されるべきでしょう。
生憎天気には恵まれませんでしたが、楽しい1泊2日でした。丹波篠山、思っていた以上に見所満載でした。それに大阪の(と言っても能勢ですが)自宅からわずか1時間のドライブで行けるんですから。正にマイクロツーリズムを体験した旅でした。
生憎天気には恵まれませんでしたが、楽しい1泊2日でした。丹波篠山、思っていた以上に見所満載でした。それに大阪の(と言っても能勢ですが)自宅からわずか1時間のドライブで行けるんですから。正にマイクロツーリズムを体験した旅でした。
この記事へのコメント
Cedar
まるたろう
日帰り圏内の場所でもありますので、機会を見つけて
出かけようと思いますが、やはりJRで行きたいですね(笑)。
やまびこ3
久しぶりのお泊り旅行楽しまれたようで何よりです。西日本は瓦屋根のたくさん残る街が多く、私なぞそれだけでたのしくなります。出石とか篠山とか言ってみたいです。
サットン
早速のコメントありがとうございます。
私も味をしめてしまい、あわよくばもう一度と企んでおります。しかし最近の感染者数の増加を見ていると、腰が引けたり・・・。
サットン
そうですね。京阪神から篠山というと完全に日帰り圏ですね。私は篠山というと篠山口駅以外は知りませんでしたので今回はいろいろと新鮮な気持ちで見て回れました。
サットン
そうなんです。宿泊を伴う旅は2012年の日本海縦貫線走破の旅以来です。
瓦屋根というと赤い石州瓦をみると山陰に来たなあ、と実感がわきますが、西日本に瓦屋根が多いというのは気付きませんでした。
丹波篠山、こじんまりとした良い城下町でした。
硬券屋
今更ですが近くの駅とか無人駅で電車?の写メで鉄分摂取すればと…国鉄の無人駅からの乗車証明書集めてたの何処にいったのかなぁ… そうそう!10年越し懸案ウナギ行きましょう!お代わり付きで!
サットン
お陰さまで楽しい1泊2日でした。
実は2日目に篠山口駅を訪問しようかとも考えていましたが、雨が強くなったこともあって止めました。
乗車証、私はあまり縁がなく手元にあるのは湖西線新旭駅のものくらいでしょうか・・・・。半世紀ほど前の収穫です。
H.E
サットン
GoToやばい状態になってきましたね。まあ、予想されたことですけど。
下関までアクセスは何を利用されたんでしょう? ヒコーキで山口宇部? それとも北九州? まさか新幹線?!
H.E
サットン
米子空港駅があることですし、山口宇部空港駅があってもよさそうですね。