鉄道の日を記念して
久しぶりに本誌東京特派員からタイムリーなレポートが届きました。今回は今話題の東京駅赤レンガ駅舎であります。
およそ5年の復原工事を経て10月1日にオープンを迎えた赤レンガ駅舎についてはマスコミをはじめ多くのブロガーさんたちも挙って取り上げていらっしゃるので本誌においては赤レンガのキーテナントとも言える「東京ステーションホテル」にフォーカスを当てて取り上げてみました。
※最初におことわり。ホテル内部のレポートはございません。オープン直後のこととて物見遊山のアポなし取材の相手などしてもらえなかったようです。
空中権売ります
▲北口ドームを見る
ニュースの資料映像などでお馴染みのアングルですね。「オアゾ」前から見たところですが、「オアゾ」というと旧国鉄本社の跡地に当ります。鉄ちゃんにとっては聖地中の聖地でした。私もホテル屋時代にJR東日本との提携商品の担当だったことがあり、しばしば出入りしていたことがあります。入館証も持っていました。(←ちょっとした自慢)
▲中央口から南口方向を見る
3階部分が復活し、ずいぶん貫禄が増しました。そして、モチーフになったといわれるアムステルダム中央駅の面影もより強くなったように感じます。ふた昔ほど前なら「西洋文化の模倣」なんて海外メディアに皮肉られていたと思いますが、今は心配ないでしょう。お隣にパクリ大国が出現しましたから。
▲高層ビルに囲まれて
復原工事に要した費用約500億円は東京駅の持つ「空中権」を新丸ビルなど周囲のビルに売却して捻出したそうです。ここに写っているビルの中にも空中権を買ったビルがあるのかも。いやはや、えらいもんが売り買いされる時代になったもんですな。
新装成った赤レンガについて特派員はこんな感想を・・・・こうなってみると、昔のドームもどきの方が目になじんでた、と思う。全体に、何かよそ行きの感じで、俺の知ってる東京駅ではないような感じ。
確かにわれわれ60'sにとって東京駅というとあの烏帽子のような屋根が思い浮かびます。このドーム屋根が目に馴染むまで時間がかかるかも知れません。
▲JPタワー
南口の東京中央郵便局改め、JPタワーです。ここも空中権を買ったのかな と思いましたが、そうじゃないみたいです。
低層部がきれいに甦りましたね。大阪中央郵便局も現在取り壊しの最中ですが、こちらは壁1枚がわずかに保存されるだけだとか。
▲ホテル玄関付近
これがステーションホテルのメインエントランスです。客室数150室の比較的小規模なホテルとはいえちょっと寂しい雰囲気。おそらく駅舎内で行き来できるサブエントランスがあるものと思われますが。オープン直後の連休中とあって中にも入れない混雑ぶりだったとか。
日本ホテルって?
▲記念のサインボード
さて、この東京ステーションホテル、運営しているのは日本ホテル㈱という会社だそうです。JR東日本の子会社で関東地区のホテルメトロポリタン、ホテルメッツなどの運営を手掛けています。元はというと1950年に設立された会社ながら、その変遷は国鉄の分割民営化なども絡んでややこしいのなんの。興味のある方はwikipediaを参照願います。
現在のステーションホテルは成田エクスプレスの利用客に限りポーターサービスを提供するなど立地を生かしたサービスにも努めているようです。
ステーションホテルの想ひ出を語る
▲特派員秘蔵の絵はがき
実は特派員、リニューアル前のこのホテルに宿泊した貴重な経験があるそうです。この絵はがきはそのときせしめたもの。感想を訊くと・・・旅行者が多くて、ざわざわした雰囲気だったような、喫茶も狭苦しくてイマイチだったような気が、、、。暖房がスチームだった気がするが、気のせいかもしれん。外見とかはちょっとあこがれるけど、中身は、、、という感じだったな。あと、部屋がかび臭かったような気がする。
私もかつて宿泊してみようと電話を掛けたことがあります。「宿泊の問い合わせ・・・」と言い終わらないうちに「あいにく全館満室でございます!」。二度とこのホテルに電話はするまいと心に誓いましたね。まあ、当時の東京駅周辺にはホテルが少なく、このホテルも50室程度の客室は常に満室、常連客以外はこんな扱いだったのでしょう。
聞くところでは赤レンガ人気で東京駅の近距離切符は前年同期比4割増、ステーションホテルは年内満室と波及効果も上々だとか。復活した赤レンガの力で鉄道も復権といきたいところですね。
写真撮影 本誌東京特派員
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この記事へのコメント
うたに
東京中央郵便局も、旧局舎を取り壊すかどうかで揉めていた気がしましたが、結局一部保存で決着したみたいです。
保存するのはお金も余計に掛かるので、なかなか難しい問題ですね。
プント
しかも以前の姿も良く知らないので、私にとっての東京駅の歴史は
この姿から始まりますw
ファジー
のり
かささぎ
新しくなったステーションホテルも泊まってみたいのですが、あの宿泊費はちょっと厳しいかも。リッツやペニンシュラに泊まれる金額ですからねぇ(^^;
nozzy
それでも旧駅舎は、子供の目にも中途半端なデザインに映ったものです。
今の姿をあの当時のわたしが見たら、何を思うんだろう?
工事中に中央線のホームから、ドームの丸窓枠に貼られている銅板が見えていましたが、何年か経つと緑青が浮いていい感じになるんでしょうねぇ。
京葉帝都
ターミナル駅のレトロ建築のステーションホテルと言えば他に“Hilton London Paddington”が思い浮かびます。
サットン
普段は見ないアド街ですが、この回は私も見ましたよ♪ あそこまで詳細に取り上げるのはこの番組ならではですね。
中央郵便局、「朱鷺の焼き鳥」騒ぎなんてありましたね。おっしゃるように古い建物の保存には費用も工期も掛かってしまいますが、大事なのはどのように保存するか、っていう気がします。このJPタワーはなかなかの仕上がりではないでしょうか。
サットン
長々と囲いの中で工事が行われていたので最近関東に移られたプントさんはじっくりと見る機会はなかったのでしょうね。
今はまだごった返しているようですが、落ち着いた頃にゆっくり眺められたらいかがでしょうか。復原前の残像に捉われないプントさんの眼にどう映るのか私も気になります。
サットン
お互い目の黒いうちに復原を見ることができて良かったですね♪ よくぞ東京のド真ん中にこんなクラシックな建物が現役で残っていたもんです。
実は私も先日新幹線ホームからちらりとドーム屋根を見たのですが、レンガの色調ともども違和感を感じました。ヨソイキを纏ってるようで。
サットン
鳴り物入りで復原された赤レンガの様子は関西でも連日報じられましたね。
この建物をじっくり見物しようとするとかなりの時間と体力を要するように思います。私には無理かな・・・・。間もなく公開される阪急梅田駅旧コンコースとダイビルの外壁復元を楽しみにしています。
サットン
東京ステーションホテルは平米当りの実勢価格でいうと多分東京一高価でしょうね。それでも予約が殺到しているようで、ざっと検索したところスタンダードクラスの客室は来年のお正月明けまで満室でした。
いずれにせよ見物はもう少し待った方が賢明かもしれません。
サットン
かつて7年間毎日のように復原前の丸の内駅舎を見ていた私にはその中途半端な姿こそ東京駅と刷り込まれていて、ずいぶん小奇麗になって現れた復元後の姿はやはり違和感を覚えます。レンガなどには古く見える細工も施されているそうですが、このギャップを埋めるには時間の経過が必要なんでしょうね。
サットン
動線が分離・・・ということは玄関は正面の1ヶ所ってことですね。駅中ホテルでありながら雨に濡れずにチェックインはできないんですね。コンコースの雑踏をロビーに持ち込みたくないということなのでしょうが、グランヴィア京都のように動線に工夫して解消する手もあると思いますが、クラシック建築の制約の中では難しいんでしょうね。
旧ホテルを利用されたとは羨ましいですね。私は数十秒の電話でのやり取りだけでご縁は切れてしまいました。