バス好きのバレンタインは・・・

こんなチョコがあったとは!


今日はバレンタインデー、テレビのニュースでは例年の如く航空会社の女性スタッフが利用客にチョコを配る様子が流れておりました。

しか~し、バス好きの私の許に届いたチョコはもっと凄い!

じゃ~ん!!

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まさかの路線バス型チョコであります。
それも子供騙しの適当なものではなく、
トミカとタイアップしたリアルなフォルムは
三菱ふそう エアロスター エコハイブリッド
側面の窓周りは三菱らしさがよく表れております。
トミカ立体チョコと称する商品だそうです。
太川さん、蛭子さんにも教えて上げよう!

娘が近所のダイエーで見つけて来てくれました。
バス好き親父のツボを良く心得ております。
ありがたく転がされておきましょう(笑)

クラシック近鉄特急が往く

近鉄特急のアイデンティティを感じる旅

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近鉄吉野線もめでたく完乗し、帰路は近鉄特急に乗ろうと思います。久し振りの近鉄特急、今回のお楽しみの一つでもありました。
14:22吉野駅に到着し、折り返しは14:34の特急でと思っていましたが、車両は生憎16600系でした。近鉄の汎用特急車の最新バージョン、Aceと呼ばれる車両の狭軌版です。新車好きを自認する私としては本来喜んで乗るべき車両ではありますが、今回狙っていたのは別の車両です。乗りたかったのは16000系、そう吉野特急では最古参の車両です。

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▲丁寧に使われていることが窺えるツヤツヤの車体

現在の近鉄特急のラインナップでは頂点に君臨する「しまかぜ」、名阪間の花形アーバンライナーなどと較べると16000系はデビュー後既に半世紀、本来ならハズレといわれても仕方のない車両です。近鉄の異端である狭軌線の吉野特急においても「さくらライナー」(26000系)、Ace(16600系)、ACE(16400系)、サニーカー(16010系)といった後輩たちと較べると16000系は確かに骨董品的存在です。なにしろ標準軌で同世代の新エースカー(11400系)はとっくに引退していますから。16000系も既に初期の車両は廃車、或いは大井川鉄道に譲渡されており残るは3編成。吉野に来るまでの間すれ違う特急も新型車両ばかりで16000系がもはや主役の座を失っていることが窺えました。しかし、私は、この16000系世代の特急車には近鉄特急草創期のアイデンティティを強く感じるのであります。それ故、今回乗るなら16000系と心に決めていたのであります。

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▲杉の産地らしい駅名標

1本見送ったがために駅前の茶店で想い出に残るコーヒーブレークを過ごして吉野駅に戻って来ました。(←前記事ご参照) 薄暗いホームからこちらに顔を向けているのは正にその16000系。窓口で阿部野橋までの乗車券、特急券1480円也を購入、はやる気持を抑えつつ改札を抜けます。

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▲ホームにはベテランの顔が

吉野特急というと「さくらライナー」を除いて2連のコンパクトな姿を思い浮かべますが、目の前にいるのは希少な4両固定編成です。9編成製造された16000系のうち4両固定編成で登場したのは唯一この16008Fだけなんだそうです。

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▲行先標には「京都連絡」の文字が

ピカピカのボディは車齢を感じさせないほど美しくメンテが施されています。側面から屋根にかけてのカーブは優美なラインを描き上品な印象を与えます。そして、屋根上にずらりと並ぶ小型の冷房装置と大型固定窓は近鉄特急車の証。しかし、特急車としてはなんとも飾り気のないマスクはさすがに時代を感じさせます。今時の車両なら標準装備の種別・行先の表示装置もなく、種別は電照式のヘッドマーク、行先は助士席窓に行先標が表示されているだけ。側面には号車札と座席番号表示がペイントされているだけです。特急表示、私は以前の扇形の方が好きなんですけど・・・・。

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▲スリムな折り戸に特急らしさが

そして、なにより近鉄特急車らしさを感じさせるのは言うまでもなくボディに纏った濃青と橙ツートンの近鉄特急色でしょう。国鉄特急色と並ぶ昭和の鉄道車両におけるエクステリアデザインの傑作だと思います。
前置きが長くなってしまいました。そろそろ車内に入りましょう。これも今時にしては珍しい折り戸に迎えられて乗車します。


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▲リクライニングシートがずらりと並ぶ客室

車内はリクライニングシートが整然と並ぶオーソドックスな造り。抜本的な更新工事が行なわれたのかくたびれた感じは全くありません。実は私が初めて乗った有料特急というのがこの16000系。私は幼稚園児、16000系がデビュー間もない頃のことです。エンジ色のシートに掛かった真っ白なカバーがなんとも贅沢な印象でした。現在のインテリアはその頃と比べるとソフトな感じに改められています。
そして、なによりも変わったのがデッキの設置。新製当時は他の近鉄特急車同様ドア部分と客席に仕切りがないデッキレス構造でした。流石に不評なのかスナックカーなどとともにデッキが設置されデッキレスは消滅しました。平成の御代に入ってデッキレス特急を新造したJR某社もありますが。


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▲ピッチが広い最前列のシート

デッキレスの名残か最前列の座席はやたらとピッチが広いのが目立ちます。新幹線などでこの座席に当ると足が投げ出せず窮屈な思いをするもんですが。
指定された1号車のシートに着席すると掛け心地はやや柔らかめ。最近の固めのシートに慣れている身には少々頼りなく感じますが、悪くはありません。テーブルはアームレストに収納されており、背面テーブルは装備していません。これもかつての近鉄特急のアイデンティティですが、最近の車両には設置されているようです。


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▲シートカバーは使い捨て?

15:04、静かに吉野駅を発車。私が乗った1号車には他に1名だけという有様。まあ、吉野駅の閑散とした状況から十分に想像はできましたが、乗り物というのはやはりある程度の賑わいがないと様にならないですね。この後の停車駅に期待しましょう。

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▲吉野口で僚友と顔合わせ

その停車駅ですが、吉野線内はやたらと停まります。吉野―橿原神宮前間の14駅のうち通過するのはわずかに6駅だけ。隔駅停車どころではありません。おまけに曲線の多い線形に阻まれてかスピードはさっぱり上がらず。橿原神宮前までの25km弱を39分かけて辿ります。
橿原神宮前では「京都連絡」だけあって京都行き特急に乗り換えるのか大きな荷物を抱えた人が2名ほど下車。かわって乗り込んで来た少年が「またコイツや・・・」と古参車両に不満そうであります。


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▲駒ヶ谷駅前にはチョーヤ梅酒本社が

南大阪線に入ってからはうって変わって特急らしい走りに。リクライニングシートに身を預け静かに響く直流モーターの唸りに耳を傾けます。高田市、尺土と停車すると後は終点大阪阿部野橋まで約30分ノンストップ。
大阪との府県境を越えると車窓にはブドウ畑が目立ち始めます。あまり知られていませんが、大阪府はかつてブドウの栽培面積日本一だったこともあるブドウの名産地。今も河内ワインは根強い人気があるそうです。そんな土地柄を象徴する会社が駒ヶ谷駅前にあります。チョーヤ梅酒㈱。今では梅酒のブランドとしてお馴染みですが、発祥はブドウ酒メーカーです。


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▲大阪市内の高架線を快走(今川)

車両基地があり長野線が合流する古市を過ぎると車窓は住宅と工場で埋め尽くされます。藤井寺、松原は現役時代中河内地区の営業を担当していたこともある私にとっては懐かしい土地でもあります。大阪市内に入り高架線を快調にとばしあべのハルカスが見えるともう終着阿部野橋、ハルカスの根本に吸い込まれるようにして1時間17分の近鉄特急の旅が終ります。
16:21、大阪阿部野橋着。


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▲折り返し再び吉野へ

降りようとして席を立ってびっくり、1号車の乗客は十数人と思っていたのですが、通路にはずらりと行列が。先頭車寄りにある改札口を目指して後方の車両の乗客が1号車のドアに詰め掛けているんでしょうが、意外に多くの利用客が乗っていたのに驚いたのです。オフシーズンの吉野特急にもそれなりの需要があるわけですね。

近鉄は特急網の再構築を経営戦略に挙げています。目減り傾向にある通勤輸送に替わって特急網を充実させ利用者の増加を図るんだそうです。もちろん車両更新も戦術の一つとして計画されていることでしょう。そうなれば真っ先に淘汰されるのは標準軌線では元スナックカー、狭軌線ではこの16000系と考えて間違いありません。もはや風前の灯となった国鉄型特急同様、近鉄特急網の構築を支えて来た車両たちの去就からも目が離せません。

乗りつぶし 近鉄吉野線編

ようやく近鉄の近畿エリア完乗

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近鉄落穂拾いの旅の続きであります。天理線を乗りつぶし、やって来たのは橿原神宮前駅。続いて吉野線乗りつぶしに着手します。次の列車まで20分ほどありますのでちょっと駅見物を。橿原線を南下して来ると近鉄の数々の合併の歴史を垣間見ることが出来ますが、ここ橿原神宮前駅はそんなモザイク近鉄の象徴ともいえる駅であります。この駅に乗り入れる橿原線と南大阪線・吉野線は同じ近鉄の路線でありながら軌間が違うのです。両者のホームももちろん分かれていて、ここまで乗って来た標準軌の橿原線が東側1~3番線を、狭軌の南大阪・吉野線が西側4~7番線を使用しています。

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▲フラップ式4連の発車標

駅本屋は両者のホームに挟まれて配置されています。橿原線側には構内踏切も。こんな大きな駅に構内踏切が、と違和感を感じますが、踏切のあるホームの南端部分は特急列車の折り返しに使われる程度なので危険はなさそうです。

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▲構内踏切から橿原線列車を見る

それでは吉野行きが発車する5番線に向かいましょう。手許には天理から720円区間の切符があります。


◆吉野線のモヤモヤを解消
(橿原神宮前13:30―急行―14:22吉野)

さて、その吉野線の踏破履歴がずーっと曖昧な状態になっておりました。幼い頃確かに乗ってはいるのですが、どこまで乗ったのか確証がなく、私の微かな記憶と家族の証言を基に橿原神宮前―壺阪山間3.9kmを暫定的に踏破認定しておりました。そんなモヤモヤした状態も今回終点吉野までズバッと乗り通すことで解消されます。

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▲狭軌の吉野線

次の吉野行きは13:30発。発車標では「各駅にとまります」と表示されていますが、大阪阿部野橋から直通の急行です。この駅から各駅停車となり吉野線内のローカル輸送に当ります。というわけでデイタイムの吉野線は特急と急行のみの運行となるわけです。
やって来たのは正調近鉄顔の4両編成。例によって形式は解りませんが、ラビットカーの末裔であることは間違いないでしょう。多くの降車客と入れ違いに乗り込んだのはわずかで各ロングシートに2・3人という状態で橿原神宮前を発車します。

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▲壺阪山でさくらライナーと出会う

吉野線は25.2kmの全線が単線ですが、休日ダイヤでは日中も特急・急行が各30分間隔(平日の特急は60分間隔)で運転されているため頻繁に行き違いが生じます。壺阪山で早速吉野特急の華「さくらライナー」と出会います。リニューアル後の姿を見るのは初めて。
列車は行き違いの度数分間停車します。その間のドア扱いは独特で、一旦全てのドアを開いた後すぐに「ご用の方は乗務員にお申し出下さい」のアナウンスが流れ全てのドアを閉め切ります。もちろん車内保温のため。発車時刻が迫ると再び全てのドアが開くという段取りです。半自動扱いが出来ないための措置のようです。

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▲近鉄、JRともにベテランが集う吉野口駅

吉野口が近付くと右手から同じ狭軌の線路が絡んで来ます。JR和歌山線です。オーシャンブルーの105系と並ぶようにして吉野口着。こちらの車両もベテランですが、あちらも負けずに老体に鞭を振るっています。
その吉野口駅はJR西日本の管理駅とあって近鉄のホームも駅名標はJR仕様。流石にJRマークは省略されています。
 

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▲車内外ともに長閑なムード

奈良のヒルズにびっくり!

車内は駅ごとに寂しくなっていつしか私の乗る先頭車は10人も乗っていない状況に。沿線風景も田舎の風情が色濃くなって行きます。乗り鉄には不向きなロングシートながら眺望抜群の近鉄車の大きな窓はせめてもの救いです。列車は右に左に大きくカーブしながら進みます。

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▲奈良のビバリーヒルズ?福神

そんなローカル線のムードに慣れてきたと思ったら前方の山の上に巨大な建物が周囲を見下ろすように建っています。ショッピングセンターと病院らしい。目を見張っていると列車は瀟洒なトンガリ屋根の橋上駅舎の下に停車。いったいここは?と駅名標を見ると「福神」(ふくがみ)とあり、「花吉野ガーデンヒルズ前」の副名称が。なんでも近鉄が開発したニュータウンなんだとか。特急も停車し、狭軌版Aceと行き違います。山奥で一瞬幻を見た思いでした。

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▲下市口の街並み

吉野川の谷が広がり久し振りに町らしい町が見えて来ます。吉野線沿線随一の要衝下市口の街並みです。奈良交通バスの拠点にもなっていて昭和のムードが人気の洞川(どろかわ)温泉への玄関口にもなっています。

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▲下市口では特急、急行を待ち合わせ

下市口駅も2面3線の構内を持ち、この列車も特急、急行の2本と行き違います。この間もちろんドアは締め切り扱い。やって来た特急は狭軌版ACE。AceがいたりACEもいたりとやっぱり近鉄はややっこしい。

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▲上流には吉野川橋梁が

河岸段丘にしがみ付くように吉野川を遡って行くと上流に巨大なトラス橋が見えて来ます。吉野線きっての名所吉野川橋梁です。もちろんこの列車も渡るわけですが、かなり強引にアプローチして行くように見えます。

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▲吉野川橋梁を通過中

大和上市を出ると、やはりほぼ直角にカーブを切り橋梁に向かいます。ゆっくりとしたスピードで見下ろす吉野川の風景は単調な里山が続く車窓の絶好のアクセントになりましたが、ここまで来ると終点吉野はもうすぐ、14:22行き止まりの吉野駅に到着です。

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終点吉野駅でお約束の車止めと駅名標を

頭端式ホーム3面4線に大屋根を備え風格たっぷりの吉野駅ですが、列車から降りたのは10人足らず。屋根にすっぽり覆われて薄暗い駅構内は侘しさが募ります。桜のシーズンの賑わいなどおよそ想像もできません。

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▲乗って来た車両は6047でした

とはいえ、吉野線を完乗できました。21.3kmと久し振りに歯応えのある新規線区踏破にまずは満足、満足であります。
冒頭に記したとおり、これで近鉄の近畿地区を片付けたわけですが、言い換えれば乗り残しているのはアプローチが面倒な三重県下の枝線ばかりということになります。近鉄全線踏破はまだまだ先のことになりそうです。

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▲吉野駅駅舎

今回の成果
新規踏破区間:近鉄 吉野線 壺阪山―吉野 21.3km 
近鉄踏破率  88.900%(84.708%) 
私鉄路線踏破率  53.640%(53.355%)
 ( )は直前のデータ
乗りつぶしオンラインによる集計

歯応えありとは書いたものの未だ90%にも届かず。大近鉄は思った以上に手強い。



◆余談 吉野の茶店で癒され・・・ず

吉野線乗りつぶしも終え帰路は阿部野橋まで特急に乗ろうと思います。直近の特急は生憎狙っていた車両ではないので見送ります。ということで30分時間が出来てしまいました。駅前もやはり閑散としており5軒ほど並んだ土産物屋、食堂も開店休業の状態。こういう状況で店の暖簾をくぐるのは勇気が要りますが、寒い中時間をつぶすのも苦痛なので意を決してその中の1軒、食堂兼喫茶店風の戸を開けると・・・・

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▲吉野のコーヒー 350円也

その瞬間店内からはアンタ誰的視線が! 店の女将と村人たちで世間話に花が咲いている中に私が不躾に侵入したという構図になってしまったようです。シマッタ!と思うも引き返す勇気もなく「コーヒーお願いします」と声を絞り出しガタピシする椅子に腰掛け待つこと暫し、なみなみと注がれたコーヒーとなぜかお茶が。スプーンは艶を失い、砂糖は案の定ダマになっています。これなら缶コーヒー買って駅の待合室で飲めばよかった・・・と後悔しつつ熱いコーヒーを流し込むように飲んでいる間も他愛のない世間話は続きます。客としての私の存在は一顧だにされず。特急の発車まではまだ時間がありますが、逃げるように店を出たのでありました。