乗りつぶし 近鉄天理線編

聖地へ続く盲腸線

1月早々から乗りつぶしであります。2015年は飛ばしております!
ターゲットになったのは大近鉄の盲腸線である天理線。橿原線の平端駅から東へと分岐しわずか4.5kmの地味な路線でありますが、終点天理は言わずと知れた天理教の聖地ということでローカル線とは思えない仕掛けが待っておりました。

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天理線の始発駅である平端駅へどうアプローチするか? 私が住む寝屋川市辺りからだとなんとも中途半端な位置になります。京阪で京都へ向かい丹波橋から近鉄に取り付くか、近鉄バス萱島線で若江岩田経由とするか、何れもすっきりしない案が幾つか浮かびますが、結局JR学研都市線で祝園(ほうその)に出て隣接する近鉄京都線新祝園から大近鉄帝国へ侵入することにしました。
新祝園から今回の前進基地である大和西大寺へは急行で10分足らずです。


◆西大寺から直通列車でつぶす
 (西大寺12:09―普通―12:32天理)
 
大近鉄の路線網のスーパーハブ西大寺駅は何時ものことながら乗り換え客でごった返しており、人混みを掻き分け6番線へと向かいます。
天理線の列車は線内折り返しの他、京都、西大寺からの直通列車も設定されており次の橿原線も西大寺始発の普通天理行と好都合。日頃乗りつぶしに際しては起点駅での表敬下車を是としている私ではありますが、今日はもう一線区をつぶす予定にしており、直通列車に甘えさせていただきます。

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▲西大寺から天理行き直通で

乗り込んだ列車は写真のとおり。近鉄の複雑怪奇な車両形式は私には理解不能なので、ご覧の皆さん自身でご判断下さい。
4両編成の車内は混雑しており運転席直後にかぶり付きます。ところで近鉄の通勤車はほぼ20m4扉車で統一されていますが、運転席直後が座席になっているものと、立ち席になっているものがあるようです。この新近鉄顔は後者です。
12:09、西大寺を発車し構内の無数のポイントを渡りながら進路を南に取り橿原線へと進出します。薬師寺、郡山城址など見所の多い橿原線の車窓ですが、今日は単なる助走路、運転士のキビキビした動作を見ながら進みます。そういえば近鉄の制服変ったんですね。

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▲模型のレイアウトのような平端駅構内

12:22、天理線が分岐する平端着。天理線列車は駅手前で橿原線から左に別れ専用ホームに発着します。ここで4分停車、表敬下車を省略したせめてもの贖罪とします。八木方面からの乗り換え客を引き受け車内は再び立ち客の出る賑わいに。

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▲平端から天理線へ(駅名標は復路に撮影)

12:26、新規踏破線区へと踏み出します。
沿線は、田畑、住宅に工場、学校が入り混じる典型的な郊外路線の風景が展開します。線路は複線ですが、全線複線化されたのは1988年と最近のことだそうです。二階堂、前栽と進むともう終点天理に到着します。
わずか6分であっけなく天理線乗りつぶし完了です。

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▲広い天理駅構内には天理教の小旗が随所に

その天理駅は地味な路線の終着駅には不釣合いな立派な構え。頭端式3線4面のホームが並びます。これはもちろん天理教の祭礼時に運転される臨時列車に対応するため。JR天理駅にもローカル線とは思えない留置線が用意されています。祭礼のときにはさぞ賑やかだろうと調べると、この日の翌日1月26日が春季大祭だそうで、この日もJRには24系の天理臨が運転されたとか。

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▲JRホームの下が近鉄天理駅

折り返し時間はわずか8分ですが、駅前広場に出てみます。JRの高架下に近鉄のホームが突っ込むように配置されているのを知り驚きます。駅前広場では天理教関係者が降りて来る信者さんに「お帰りなさい」と声掛けをしています。駅舎正面には先日センバツ出場が決まったばかりの天理高校を激励する横断幕が。常連校だけあって何度も使い回している様子。
まさに天理教一色のムードを体感したところで再びホームに戻ります。

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▲近鉄には珍しいLED式発車標

もう少し独特の駅前風景を見ていたいところですが、次のターゲットを目指さねばなりません。12:40発の平端行きに乗り込みます。もちろん乗って来た列車の折り返しであります。

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▲やって来たのは橿原神宮前

平端で乗り換え、更に南下して13:12、到着したのは橿原神宮前駅。そう、次なるターゲット吉野線を乗りつぶすためであります!


今回の成果
新規踏破区間:近鉄 天理線 平端―天理 4.5km 
近鉄踏破率 84.708%(83.822%) 
私鉄路線踏破率 53.355%(53.294%)
 ( )は直前のデータ
乗りつぶしオンラインによる集計

流石は大近鉄です。天理線を乗りつぶした程度ではビクともしません。

鉄道発見伝のスタンプをゲット

日テレプラスの人気(?)番組

今日は小ネタをひとつ。
「鉄道発見伝」というテレビ番組をご存知でしょうか? CSの日テレプラスで放送されている鉄道ファン向け番組です。今やBS、CSでは鉄道と名の付く番組はゴマンと放送されていますが、多くは鉄道と名乗りながら中身は普通の旅番組というケースが実態です。
しかし、鉄道発見伝は違います! 純度100%の鉄ヲタ向けの内容です。出演する日本テレビの藤田大介アナ、田中匡史ディレクターともに大の鉄道ファン。コンセプトは「今しか出逢えない鉄道風景」を求めて、鉄道ファンから一目置かれる「鉄兄ちゃん」を目指す藤田アナが全国の鉄道を訪ねるというもの。「鉄兄ちゃん」というキャラがイマイチ意味不明ですが。
例えば第12回では「惜別!時速160km走行 はくたか」と題して、北陸新幹線延伸で役目を終える特急「はくたか」を北越急行に追っています。トンネル内の儀明信号場に停車するシーンや、同じくトンネル内の美佐島駅での「はくたか」通過をホームで体感するなど確かに鉄道ファンにはたまらない内容です。
番組HPは >>こちら

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この「鉄道発見伝」が訪ねた鉄道会社に置き土産として残していくのが番組オリジナルのスタンプです。このスタンプが私愛用の大阪モノレール万博記念公園駅に設置されております。この駅は通院の度に乗り換えに利用しておりますが、先日は乗り換えに10分ほど時間が空いてしまったので、チャンスとばかりに改札口のモノガールのオネエサンに声を掛けると恭しく引き出しから取り出してくれました。押し方が悪くちょっと掠れてしまっておりますが、デザインは共通のようです。
ちなみに大モノは第6回「大阪鉄道まつり」編で北大阪急行とともに登場しております。もちろん北急も千里中央駅駅長事務室に設置されました。

「鉄道発見伝」、鉄道番組としてはBSフジ「鉄道伝説」と並んでお薦めです。HPでスケジュールを確認の上ご覧下さい。

駅名標考現学 能勢電鉄編

2014年末にイメージ一新

鉄道会社の文字どおり看板である駅名標を見て歩く「駅名標考現学」。今回は兵庫県東部から大阪府北部を走る能勢電鉄です。
能勢電鉄では2014年末に全駅の駅名標のデザインをイラスト入りのものに一新しております。その新デザインを先日の新春乗り鉄初めの折に見て来ましたのでご紹介したいと思います。

◆デザインコンセプト

能勢電鉄のHPによると新デザインのコンセプトは 「里山などの自然あふれる沿線風景をモチーフとした緑色を基調とした意匠」だそうです。
それでは川西能勢口駅のものから見てみましょう。

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▲川西能勢口

ひらかなメイン表記です。最近の傾向として「かなメイン」表記→「漢字メイン」表記に変更されるケースが目立ちますが、かなメイン表記のままとしたのは乗り入れ相手の阪急に合わせたのかも知れません。
ローマ字表記は最近の主流である頭文字のみ大文字としています。もちろん駅番号も表記されています。
そして、新デザインを特徴付けるのがイラストです。これは各駅ごとに周辺の風物をモチーフに描かれているもので、この駅は 「里山(能勢)への玄関口で、北極星(能勢妙見山)へ向かう線路をイメージしました。 ※能勢妙見山は北極星信仰の開運北辰妙見大菩薩を祀っています。」(能勢電HPより 以下各駅とも)

緑を基調にしたデザインは能勢の山里を思わせる爽やかなデザインで好感が持てますが、肝心の駅名が少々小さいのではないでしょうか。とはいえ趣向を凝らしたイラストには最近地元密着指向を強く打ち出す能勢電鉄の地元愛を感じます。

ちなみに従来の駅名標は全く異なる2種類が混在していました。

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▲従来のデザイン

川西能勢口の「し」と「の」の間にスペースが取られていますが、新デザインでは詰まっています。


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▲平野駅

本社所在駅平野のイラストは 「付近を流れる塩川から湧き出る鉱泉は平野水として販売され、のちに香料と甘味料を加えた「三ツ矢印の平野シャンペンサイダー」として売り出されたことから、炭酸水が湧き出る様子と当時の面影を残す三ツ矢記念塔をイメージしました。」 三ツ矢サイダーのルーツって能勢電沿線にあったんですよ!
なお、次駅表示は進行方向側にのみ駅番号が表示されています。

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▲山下駅

妙見線と日生線とのジャンクション、山下は 「付近は戦国時代より多田銀銅山の製錬で栄えた町で、能勢電鉄が開業したことにより人や物が集まり、銀行や証券会社、ダンスホール、芝居小屋、カフェ、ビリヤード場などが立ち並ぶ華やかな町であったことから、往時を偲ばせる川西市郷土館と精錬所をイメージしました。」

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▲光風台駅

山間のニュータウンの玄関口光風台の自立式。そのイメージは 「駅名から光と風をイメージしました。」と至ってシンプル。

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▲妙見口駅

妙見線の終点妙見口は所在地が表記されています。 「日本一の里山といわれている妙見山の麓のパッチワーク景観のある里山をイメージしました。 ※今でも炭を生産し、利用されている里山の特徴としてパッチワーク景観があります。」
なお、所在地表記があるのはこの駅と、日生線終点日生中央だけですが、理由は不明です。
デザインは統一されましたが、サイズは何種類もあるのがわかります。


◆補助駅名標

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柱張りの補助駅名標もご紹介しておきましょう。これらが今回のデザイン変更に合わせたものか、従来からのものかは不明です。阪急との共用ホームに設置されている川西能勢口のみ仕様が異なっています。それにしても妙見口駅の背景の長閑なこと。

というわけで、久しぶりの駅名標考現学は能勢電鉄を取り上げました。全駅コレクションしたくなる楽しい駅名標でした。